「そのままのあなたでいい」……という本当の理由

更新日:5月17日



 恋愛話ではありませんが、テレビドラマや小説などで「そのままのあなたが一番ステキだ」とか「ありのままの君でいて欲しい」というフレーズに出合うことは珍しくありません。実際の生活の中でも「そのままでいいんだよ」という言葉を口にしたことのある人もいるのではないでしょうか。

 その意味は言わずもがな、自身が言葉を投げかけた対象について、肯定的感情をもって、その存在すべてを認めたということになると考えます。そういう心境に至ることも尊いことですが、私としては、そう言わしめた側の在りようの偉大さに敬服するのです。

 相手に自分のすべてを認めさせる―それは与える影響が良いも悪いも含め―ということは、その相手の心に、自分に対する深い愛を生み出させる力があるということにほかならず、最上の魅力と言えるのではないでしょうか。それは、対象となるものが人であれ、物であれ、何に対しても同じです。


 「そのままでいい」。そういうと、妥協や無関心とも取られそうですが、そうではなく、あくまでも愛をもって受け入れるということを意味します。また、向上心の欠如と感じる人もあるかもしれませんが、これは決して、今の状態に留まることを前提とするものでもありません。

 人も動物もいかなる事物であっても、今という状態は今だけのものであり、一秒前も後も違うものであるハズです。一秒前のあなたと今のあなたでは、見た目は同じかもしれませんが、確実に違う状態にあります。すべてのものは変化しており、変化の連続が今のあなた、そして今後のあなたを形作っていきます。その、どの時点のあなたであっても、また、どの角度から見られたあなたであっても、そのすべてを受け入れさせる魅力を放つ在りように、嫉妬にも似た憧れを感じるのです。


 すべてのものには多面性があり、他に誇れる優れた点ばかりではありませんし、自身で欠点と感じる部分もあるかもしれません。しかし、そこに特別な感情を付随させるのではなく、あくまでそうした面があるということだけを自分自身でも受け入れ、他と変わらず自分の一面として表現(行動)していくことが、真の自分として生きることになり、ホリスティックに生きる、ひとつの方法ではないかと思います。