消化と吸収を助ける「ヨガ的な食事」㉓【by 平田ホリスティック教育財団 理事 丸元康生】

最終更新: 9月2日

 運動は血糖値の安定を助けますから、糖尿病対策の柱の一つになっています。そうは言っても、運動をなかなか習慣にできない人が多いのも事実。

 ひとまず、食事をしたら、きれいな姿勢を意識して10分ほど歩いてみるところから始めてはいかがでしょうか? それだけで十分効果は期待できると、ニュージーランドの研究チームから報告されています。

 

この研究の被験者は41人で、2つのグループに分けられました。

 Aグループは、1日のうち、食後以外の好きな時間に30分歩く。

 Bグループは、朝食、昼食、夕食のあとに10分ずつ歩く。1日合計30分。

 どちらのグループも、歩く時間は1日30分で同じです。これを2週間続けてもらいました。

 30日間の休息期間をおいた後、今度は歩く設定をAとBで逆にして、また2週間。


 データをまとめて、食後に歩いた時と、食後以外の時間に歩いた時の血糖値への影響が比較されました。

 この研究では、iAUCという方法で、血糖値の上昇具合が調べられています。

 日本語では、「血糖値上昇曲線下面積」。血糖値の上昇幅を比較するのに便利なので、研究文献にはよく出てくる指標です。


 簡単にご説明しておきましょう。

 これは、よく見る血糖値のグラフです。











 iAUC で調べられるのは、左図で三角形のように見える赤いスペースの面積です。この数値が大きいほど、食後の血糖値の上昇が大きかったことになります。









 AさんとBさんがこんな感じだったら、Bさんの方がiAUCの数値が大きくなるわけですね。








 さて、ニュージーランドでの研究ですが、「好きな時に30分歩く」のに比べて、「食後に10分ずつ歩く」方が、食後の血糖値の上昇が平均12% 抑えられることが分かりました。特に効果が大きかったのは夕食後で、22%も食後血糖値が低くなっています。




 研究チームのアンドリュー レイノルズ教授(オタゴ大学医学部)は次のようにコメントしています。

 「食後に10分間歩くだけでも血糖値の急激な上昇を抑える効果があるので、運動を続けるのが難しい人でも、とにかく体を動かすことをお勧めします。特に効果が現れやすかったのは、糖質をたくさん食べた食事の後。運動をすると効果の出やすいタイミングは、食後30分~1時間のあいだです」

 外回りのお仕事があるなら、ランチの後に入れてみてはいかがでしょうか。主婦の方なら食事の後にお買い物の予定を入れて、ついでに歩いたりしてみるといいですね。

 食後の血糖値を安定させるのは、糖尿病の心配のない人にとっても好ましいことです。いつも食後に眠くなる人にも、食後の散歩はお勧めですよ。

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