大豆に含まれる有害物質って?



 先日、WEBセミナーで発芽大豆についてお話しをしました。そこで寄せられたご質問の一つが、「名前は忘れてしまったのですが、大豆には有害な成分が含まれていると聞いたのですが……


 はいはい!

 名前を覚えにくいヤツ、ありますよね。

 アブシジン酸ではないでしょうか?


 大豆とか玄米とかでよく問題にされる成分ですね。アブシジン酸は多くの植物の種子や豆に含まれるホルモンのような物質で、発芽を抑制する働きがあります。


 植物の種はいつでも自由に芽を出していいわけでありません。水がぜんぜんなかったり、温度が低すぎたりする時にうっかり発芽すると、すぐに枯れてしまいます。早まって命をムダにすることがないように、発芽に適したタイミングをじっと待たなくてはいけません。


 そこで、いい感じに環境が整うまで、発芽をさせないように管理しているのがアブシジン酸なのです。


 アブシジン酸は白血球(顆粒球)を刺激して活性酸素などの放出を促し、ミトコンドリアにダメージを与えるという論文が、米国国立科学研究所会報で発表されています。そのせいで、「毒性物質」と呼ばれることがあります。

 また、体質的にアブシジン酸をうまく処理・排泄できない人もいて、その場合には下痢や嘔吐などの症状が出る可能性があるようです。


 ただ、ふつうに穀物や豆を調理して食べる時には、アブシジン酸はほとんど問題になりません。


 まず、穀物や豆は吸水させてから調理しますが、その過程でアブシジン酸はどんどん消え去っていきます。植物の種類によって多少違いはありますが、12時間くらい吸水させることで、アブシジン酸は約10分の1に減ります(ちなみに、白米にはアブシジン酸は含まれていないので、吸水時間は短くて大丈夫です)。


 加熱することで、さらにアブシジン酸を減らすことができます。温度は発芽にとってもっとも重要な要素の一つですから、アブシジン酸は敏感に反応します。温度が下がるとアブシジン酸が増え、温度が上がるとアブシジン酸は減るのです。


 より確実なのは、発芽させることです。


アブシジン酸は条件が揃っていない時に発芽をさせないために見張っている成分ですので、いったん発芽がスタートした時には用がなくなり、消え去っていきます。発芽といっても、市販のもやしのように長く伸ばす必要はなく、プチっと小さな根が出るか出ないかくらいで十分です。


 アブシジン酸が問題になるとすれば、種子を吸水加熱発芽もさせずにたくさん食べるケースでしょう。ですから生のナッツを購入して生のまま食べるとすれば、1晩くらい吸水させることが勧められています。


 スイカ、ブドウ、リンゴ、ナシ、レモン、ミカン、メロンなどの種をのみ込むのも、避けておいた方が賢明です。イチゴ、キウイ、キュウリ、トマトなどの種は小さいので、特にアブシジン酸の問題はないとされています。



【by 平田ホリスティック教育財団理事 丸元康生】